園や学校に関わるSTのための子どもと音環境のおはなし

日時:2025年12月12日(金)20:00~21:30
会場:オンライン
参加費:4400円
主催:一般社団法人ことばサポートネット
ホームページアドレスhttps://www.kotoba-support-net.org/
その他/備考:
園や学校の巡回相談で、こんなご経験はありませんか・・・?

● 音の刺激が落ち着きのなさにつながっていそう
● 一対一だときちんと理解できているのに、ホールに入ると途端に理解のむずかしさが目立つ
● 聴覚過敏がありそうだけれど、具体的な対策が取りづらい

こういった場面に出会ったとき、原因は様々で、職員や保護者にできることを言語聴覚士の立場から一つ一つ考えていくのが私たちの仕事になりますが、中には、「音環境」に目を向けることで、具体的な支援につながる糸口を見つけられる場合があります。


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音環境に関しては、WHOでも環境騒音ガイドラインが作成され、基準が定められています。

2025年10月3日、NHKの朝のニュースで以下のような内容が紹介されました。

幼稚園や保育所などの室内の音の反響が大きいと、その施設内で過ごす子どもたちの遊びや学びに影響が出ることが懸念されるとして、日本建築学会は、反響を抑えるための吸音材の設置の助成などを求める要望書を国に提出することを決定しました。(イギリスやアメリカなどでは音の反響が残る「残響時間」の目標値が設定されていますが、日本では基準が設けられていないそうです)
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今回の講座では、言語聴覚士として知っておきたい音環境に関する音響学の側面からの基礎知識をご解説いただきます。学生時代以来、音響学に触れる機会がなかったという言語聴覚士も多数いる現状を踏まえて、今回はわかりやすく基礎から教えていただきます。その上で、園など集団の場で、実際にどのように音環境がお子さんの過ごしやすさや育ちに影響を与えているのか、最新のご研究をもとに教えていただきます。
私たちが園や学校の巡回相談で何をみるべきなのか、どんな対策ができるのか、明日からの巡回相談で活かすことのできる具体策をご教授いただく予定です。

園や学校で働く言語聴覚士の皆様や、ことばの育ちを支える仕事をしている先生方にお役立ていただけましたら幸いです。


【講師】

駿河台大学 メディア情報学部 教授 船場ひさお先生
一般社団法人こどものための音環境デザイン 代表理事  博士(芸術工学)/保育士


【対象】

・お子さんに関わる言語聴覚士

・園や学校、放課後等デイサービス、児童発達支援施設、子育て支援センターなどでお子さんの育ちに関わる方も是非ご参加ください

・幼稚園や保育園の園長先生など子育て支援関連施設の管理職の方


【講師紹介】

栃木県さくら市出身。
九州芸術工科大学 芸術工学部 音響設計学科卒。

千代田化工建設株式会社などにおいて多数の公共空間の音環境デザインを担当の後、九州大学大学院 芸術工学府 芸術工学専攻 博士後期課程 修了。音環境のユニバーサルデザイン、建築音響、騒音制御を専門とする。
博士(芸術工学)の学位を得た後、フェリス女学院大学 音楽学部 音楽芸術学科 専任講師、岩手大学COC推進室 特任准教授、横浜国立大学 地域連携推進機構 客員教授などを経て、現職。

こども施設の音環境設計、音や音楽と地域デザイン・地方創生、家電製品の音づくりなどの研究・実践に取り組む一方、2020年3月3日の耳の日に一般社団法人こどものための音環境デザインを設立。こどもも保育者もストレスなく過ごせる音環境づくりを目指し、保育者研修やワークショップの開催などの活動を展開している。

また、日本フィルハーモニー交響楽団が進める「被災地に音楽を」東北の夢プロジェクトのサポーターや、誰かに聞かせたい“花巻の音風景”プロジェクトのアドバイザーなどを務め、岩手県を中心に東北での音楽・音環境デザイン活動にも積極的に関わると共に、首都圏の学生と岩手県内の市町村をつなぐプログラムも進めている。


【内容】

・音環境に関する、音響学の側面からの基礎知識
・園や学校など集団の場における、子どもへの音環境の影響
・園や学校などの現場もしくは巡回相談で何を見るか、何ができる