言語聴覚士の有資格者団体として、日本言語聴覚士協会が発足してから一年余りが経ちました。この間に全国規模の活動がさまざまに行われてきており、全国の言語聴覚士を対象に催された研修会には参加した方も大勢おられることと存じます。

その一方で、自分たちが働くここ千葉県に目を向け、日々の仕事を振り返ってみたとき、改善されるべき課題が多々有ることに気づかされます。言語障害児・者の一生や、その生活の質の向上を考えたとき、個々の言語聴覚士やその所属機関のみで提供できることは必要とされることの一部分にすぎません。時間的経過に連れて、また抱えている問題の諸側面に応じて、同時に複数の機関を利用することになるのが普通です。当然、各機関の連携が密であればあるほど、より良いサービスを提供できるわけですが、十分に行えているとは言いがたい現状です。よって私たちは、私たち自身の資質の向上に努め、老健施設・病院・福祉施設・学校等の連携を図り、地域福祉における保健・医療・福祉・教育の発展と充実に寄与するために、千葉県言語聴覚士会を設立いたします。

言語聴覚士同士の連携も含め、県内の関係する諸機関の連携を図るためには、お互いに顔の見える関係、すなわち地域に密着した活動が欠かせません。例えば、小規模の勉強会等による交流には単に資質の向上に止まらない効果が期待されます。そして、このような活動をするなかで明らかになった全国規模で対応する必要のある問題点については、日本言語聴覚士協会にも御尽力いただいて解決の方法を模索したいと考えております。

千葉県における全ての言語聴覚士が本会に加入し、活動に積極的に参加するなかで自己の研鑚に励み、地域における社会的要請を的確に把握して地域社会に貢献することを目指して下さいますよう、心よりお願い申し上げます。
平成13年6月

千葉県言語聴覚士会は、先人の努力により平成13年6月に成立されて以来、会員の資質の向上を図り、言語聴覚士の社会的地位の確立に努め、地域における保健・医療・福祉・教育の発展と充実に寄与すべく、さまざまな事業を行ってきました。
誕生から10余年を迎えたことを機に、更なる発展を目指し、県民の保健・医療・福祉・教育の増進に寄与することを目的に、千葉県言語聴覚士会の会員、財産、事業のすべてを一般社団法人千葉県言語聴覚士会が継承し、新たな一歩を踏み出しました。
平成24年5月20日